【実務ブログ】茨城県常陸太田市で民泊の届出代行を行いました

茨城県常陸太田市民泊

 こんにちは、霧生です。今回は、茨城県常陸太田市住宅宿泊事業(民泊)の届出代行を行った事例をご紹介します。

当事務所では、民法や旅館業など宿泊施設に関するご相談・申請代行をメインに承っております。
事前の法的チェックから行政協議までワンストップで対応いたしますので、ぜひお気軽にお問い合わせください。

 今年の春頃、茨城県在住の個人オーナーさまより、使用していない戸建て住宅を活用して民泊を始めたい、とのご依頼をいただきました。

 まずは用途地域を確認したところ、当該物件は、前回ご紹介した茨城県鹿嶋市の案件と同様に市街化調整区域に所在していることが判明しました。市街化調整区域では原則として新たな建築や開発行為が制限されているため、通常よりも入念な事前確認が必要です。

なお、運営形態は家主不在型ということで、民泊の届出が制限される可能性があります。

都市計画法に抵触するかチェック

疑問のイメージ

 市街化調整区域で民泊を始めるには、「線引き前に建築された建築物かどうか」「属人性のある建物かどうか」「用途変更が必要かどうか」などを確認する必要があります。

 幸いなことに、当該建物は線引き前に建築されたものでした。都市計画法の制限を受けないことが分かり、一安心のはずでしたが…建物がかなり古く、線引き前に建築されたことを示す資料がなかなか見つかりません。

 そこで、役所の担当者と協議した結果、国土地理院が発行している当時の航空写真で確認できれば問題ないとのことに。実際に写真を取り寄せてみると、白黒かつややぼやけてはいたものの、しっかりと建物が写っており、無事に疎明資料として認められました。こうして、都市計画法に関するチェックは無事クリアです。

消防設備の設置~保健所へ届出提出

 消防設備については、日頃からお付き合いのある業者さんへ依頼。今回は1階部分のみを民泊として営業する計画でしたが、消防法では建物全体で判断される場合があるため、事前にしっかりと確認が必要です。

 調査・協議の結果、今回の建物は全体が宿泊施設として扱われることになり、1階・2階ともに火災報知器や非常用照明などの設置が必要と判断されましたが、オーナーさまとしては「いずれ2階も民泊として活用する予定」とのことで、結果的には良い形で整備を進めることができました。

 その後、消防署による検査も問題なく完了。消防法令適合通知書が発行されたため、引き続き保健所への届出手続きを行い、無事に受理となりました。

提出した書類一覧
住宅宿泊事業届出書
住宅の登記事項証明書
身分証明書(破産手続き開始決定の通知を受けていないことを証明するもの)
誓約書
届出住宅の各種図面
避難経路及び安全措置を示す図面
「随時その所有者、賃借人又は転借人に居住の用に供されている家屋」に該当する場合は、それを証する書類
住宅宿泊事業の用に供する承諾書
安全措置に関するチェックリスト
消防法令適合通知書

おわりに

 私自身が神奈川県在住のため、手続きに必要な疎明資料の取得などオーナーさまの多大なご協力をいただき、無事に一連の業務を完了することができました。

 あらためて、市街化調整区域での民泊手続きは確認事項が多く、慎重な進め方が求められることを実感しましたが、事前の準備と法的整理を丁寧に行えば、問題なく営業をスタートすることは十分に可能です。

 市街化調整区域内で民泊を検討されている方は、ぜひ一度ご相談ください。経験に基づいた実務的なサポートで、スムーズな手続きをお手伝いします。

 

 

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