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【解説】豊島区の新たな上乗せ条例に激震 既存の民泊施設にも適用される条例改正について詳説

東京都内では近年、特に23区を中心に、住宅宿泊事業(いわゆる民泊)および旅館業に関する“規制強化”の動きが広がっています。
主な変更点としては、「管理者の常駐義務」や「営業実施日の制限」など。これらの規制は、宿泊施設の増加に伴う騒音やゴミ問題など、地域住民の生活環境への影響を抑制することを目的としており、今後はより厳しいルールの下での営業が求められるようになることでしょう。
人気エリア・豊島区の改正内容を解説
池袋エリアを中心に国内外から多くの観光客が訪れる豊島区では住宅宿泊事業に関する新たな条例が施行され、これまでよりも非常に厳しい運営基準が設けられることとなりました。主な変更点は以下のとおりです。
●主な変更点①(令和7年12月15日から施行)
- ①近隣住民への事前周知
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届出住宅の周辺住民に対して、書面及び説明会の開催により事前に周知すること。
☆これまではポスティングで可能でしたが、今回の改正によって、より近隣住民へ寄り添った周知&説明が求められます。
- ②海外在住者に対する、日本国内に在住する代理人の選任
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事業者が「日本国内に住所を有しない個人」or「外国法人」であるとき、その事業者は、届出住宅ごとに当該届出住宅において営む住宅宿泊事業に関する一切の行為(裁判上の行為を除く。)をする代理権を付与した代理人(日本国内に住所を有する者に限る。)を選任すること。
- ③地域住民との協力体制を構築、トラブル発生時の対応
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事業者は、届出住宅の所在地において活動する町会への加入について、当該町会と協議すること。
苦情発生時及び周辺住民から苦情解決のための協議の場を求められた場合は誠実にこれに対応すること。
実務上のポイント
①事前周知の方法については、ポスティング→住民説明会の実施へ変更されたことで、届出するまでの負担が増えることになりました。②については、外国籍の事業者さんであれば日本に居住する代理人を探すという手間がひとつ増えることになりますが、こちらは代理権を付与した人物であれば問題ありませんので、そこまでハードルは高くないといえます。
●主な変更点②(令和8年12月16日から施行)
- ①営業できる期間を制限
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区内全域で、住宅宿泊事業の実施を制限する期間は、1月15日正午から3月15日正午まで、4月11日正午から7月1日正午まで及び9月1日正午から12月15日正午までとする。
☆逆にいうと、営業できる期間は「3/15~4/10」「7/1~8/31」「12/15~1/14」で、年間の営業可能日数は「120日間」となります。加えて、この制限はすでに届出が受理されている既存の住宅にも適用されます。
- ②営業できるエリアを制限
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住居専用地域、住居地域、準工業地域、文教地区における住宅宿泊事業の実施は、全ての期間、これを制限する。
☆施行日(令和8年12月16日)以降、このエリアでは新たな民泊開設が不可となります。
実務上のポイント
営業可能日数が本来の180日から120日へと大幅に短縮されるうえ、その規制が既存の届出住宅にも遡及的に適用される点からも、豊島区が民泊規制の強化に強い姿勢で臨んでいることがうかがえます。
すでに民泊事業から撤退する事業者もいるようですが、用途地域や接道義務などの立地要件を満たしているのであれば、旅館業への転用を検討する余地は十分にあります。実際のところ、事業を継続するのであれば、そのような方向へ舵を切らざるを得ないケースも増えていくのではないでしょうか。
まとめ
今回の条例改正により、豊島区では民泊事業に対する規制が大幅に強化されました。事前説明会の実施や国内代理人の選任など、届出までの手続き負担が増えるだけでなく、営業日数は年間120日へ縮小されることになります。
さらに、用途地域によっては新たな民泊開設ができなくなるエリアも生まれるため、今後は民泊事業の参入・継続ともにハードルが高くなるといえます。状況によっては、旅館業への転用を含めた運営方針の見直しが重要になると考えられます。
