【解説】江東区、旅館業の条例改正「常駐義務化」罰則規定も追加で規制強化

 東京都内では近年、特に23区を中心に、住宅宿泊事業(いわゆる民泊)および旅館業に関する“規制強化”の動きが広がっています。

 その規制は、宿泊施設の増加に伴う騒音やゴミ問題など、地域住民の生活環境への影響を抑制することを目的としており、今後はより厳しいルールの下での営業が求められるようになることでしょう。

目次

江東区の改正内容を解説

 東京ビッグサイトや豊洲市場などの大型施設を有し、国内外から多くの観光客やビジネス来訪者が訪れるエリアとして知られている江東区では、令和8年(2026年)7月1日から新たな旅館業法施行条例が施行されます。これにより、以前よりも厳しい運営基準が設けられることとなりました。主な変更点は以下のとおりです。

●主な変更点(令和8年7月1日から施行

①営業施設内に宿泊者が滞在する時間内は、常時、当該営業施設内に営業者自らが勤務し、又は営業従事者を勤務させること。

☆以前の条文では、但し書きで「緊急時における迅速な対応を可能とする規則で定める体制が整備されていると区長が認める場合は、この限りでない」とありましたが、今回の改正でそれが削除されました。

営業施設内には、営業者又は営業従事者が常駐できるための規則で定める施設を設けること。

☆①は従業員らが常時勤務することに関する内容、こちらではその従業員が常駐する場所について規定しています。

③営業施設は、玄関、玄関帳場、客室その他宿泊者等の用途に供する施設を一体的に管理することができ、かつ、住居その他の施設と区画され、これらが混在していない構造であること。

☆詳細については調査中。少なくとも他の住居や共有スペースが混雑するマンションタイプだと、この規制に抵触する可能性があるので要注意です。

④命令違反者に対する是正処置及び罰則

区長は、①の規定に違反する者に対して是正措置を命ずることができ、その命令に従わない者に対して5万円以下の過料を科します。

実務上のポイント

 やはり注目すべきなのは、従業員等による常駐義務が新たに設けられた点でしょう。「常駐できるための施設」が具体的にどのような構造を指すのかについては、現時点では詳細が明らかになっていません。ただ、いずれにしても一般的な戸建て住宅で行う一棟貸しスタイルの営業は、これまで以上に難しくなる可能性があります。

 また、常駐義務に違反した場合のペナルティも新たに追加されたため、事業者にはこれまで以上に適正で健全な運営が求められることになるでしょう。

※その他の改正内容については、こちらのページをご覧ください。

まとめ

 今回の条例改正により、江東区では旅館業において営業従事者の常駐義務や常駐スペースの設置など、管理体制に関する要件が強化されました。これまで認められていた例外規定も削除されたため、無人型の宿泊施設の運営は今後難しくなる可能性があります

 そのため、特に戸建て住宅を活用した一棟貸しタイプの施設では、運営方法や物件条件の見直しが必要になるケースも増えていくと考えられるでしょう。

図面をお持ちの方は、以下の専用フォームからお問い合わせしていただくと、スムーズにご対応することができます。

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